【一泊4000円】ヨーロッパへ陸路の旅 by シベリア鉄道 準備編 Part 2

シベリア鉄道に全線乗ってヨーロッパに行きたい!けど、そんなに高い値段は払えない!
そんな私が出発までにしたことは以下の通りです。

  1. フライトを調べ、予約
  2. シベリア鉄道の切符を買う
  3. ロシア国内のホテルを予約
  4. 入国ビザを取得

「え、ビザがいるの?」とか、「切符の後にホテル?」とか、疑問だらけの方も多いと思います。
ですが、すべてにちゃんとした理由があります。

その理由は、この記事にて大公開します!


1.フライトを調べ、予約

まず最初に、ネットでロシア行き&帰りの飛行機を調べ、予約します。
まっさきにフライトを調べる理由は、日によって航空券の値段が数万円変動するからです。

シベリア鉄道は、モスクワ~ウラジオストク間を結ぶ鉄道です。
このうちウラジオストクが曲者で、日本からの直通便がある日ない日があります。

直通便がなく乗り継ぎの場合、航空券はやはり高くなる傾向があります。
また乗り継ぎでもLCCなどとうまく組み合わせれば直通便より安くなる場合も。
とにかく、旅費を削りたいのなら日程にこだわる必要があります。

ちなみに私はシベリア鉄道はウラジオストク→モスクワ方面で利用したので、最初がウラジオでした。
そして日程の調整がうまいこと行かず、結果として予約したのは韓国・仁川での乗り継ぎ便…。
実際に行ってみてどうだったのかは、後に詳しく書こうと思います。

2.シベリア鉄道の切符を買う

これはあくまで私の場合ですが、シベリア鉄道の切符は日本からネットで買えました
(外国人が買うのは無理という情報もありますが、私は買えましたし、現地で何の問題もなく乗れました)

まず、ロシア国鉄(RZD,キリル文字ではРЖД)のオンライン予約サイトに行きます。(こちら)
するとこんな感じの画面が開きます。

「Departure」にVLADIVOSTOK、「Arrival」にMOSKVAと入力します。
もちろん逆方向ならウラジオとモスクワを反対にしますし、他の目的地があるならその駅名を入力します。
ただ、ここからはこのウラジオ→モスクワ経路で行くものとして解説します。

片道One wayの文字の横の欄に出発日時を入力します。
ここで注意したいのが、1.到着日とシベリア鉄道乗車日に余裕があるか2.モスクワ時間であること、の二点です。

1.到着日とシベリア鉄道乗車日に余裕があるか

まず、ウラジオorモスクワに着いた日にシベリア鉄道に乗るのは論外です。
飛行機というのは遅れるものです。天候不順や乗り継ぎ先で機材が間に合わず翌日以降に出発、なんてこともあり得ます。

シベリア鉄道での出発が到着の翌日ならまず問題ありません。
ですが乗る前にはそれなりの準備も必要ですし、観光する時間も欲しいと思います。

ここは余裕を持って到着の翌々日くらいに出発日を設定しておきましょう。
ちなみにウラジオストクもそんなに小さな街ではなく、観光するところはたくさんあるので、余裕を持っても損はしません!

2.モスクワ時間であること

これは見落としがちな部分ですが、ロシア国鉄の時刻表はすべてモスクワ時間で書かれています。

「それがどうした?」と思う方もいるかもしれませんが、これが重要な意味を持つのです。
というのもモスクワとウラジオストクは距離にして9000km、7時間の時差があるのです!

ロシア国鉄の路線は数多くの時間帯をまたぐため、いちいち現地時間に合わせていると大混乱に陥ります。
そこでロシア国鉄の殆どすべての時刻表は、時差に関係なくモスクワ時間で統一されています。

これの意味するところは、時刻表に正午と書かれていてもウラジオでは午後7時であるという事実です。
同じように、時刻表の18時はウラジオの翌日の深夜1時、時刻表の深夜1時はウラジオの朝8時になります。
注意して時間を選びましょう。

出発日時を選び、「Buy Ticket」をクリックすると、乗れる列車の一覧が表示されます。
乗りたい列車を選ぶと、乗れる等級と何両目、どの位置のベッドにするかをすべて指定できます。

これ以降に必要になるのが、ロシア国鉄へのログインです。
つまりe-mailアドレスが必要になります。少々面倒ですが、さくっと登録してしまいましょう。
ちなみにセキュリティ面を心配する方もいるかもしれませんが、私が登録したところスパムメールなどは今までで一切ないので、どうやら大丈夫そうです。

名前や性別、誕生日などを登録すると確認のメールが送られてきます。
その中のリンクを踏むと登録できます。

さきほどの座席選択の画面に戻り、乗車する全員の情報を登録します。
順調に登録できれば、最後にカード決済のページが表示されます。
ここだけはロシア語ですが、頑張ればなんとかなります。(不安な方はこちらも参照)

成功すると、PDFをダウンロードできるページが表示されます。
このPDFはいわゆるEチケットですが、現地の駅で紙の切符に交換してもらう必要があります。
しっかり印刷して、持っていきましょう!

3.ロシア国内のホテルを予約

ここからホテルを予約します。シベリア鉄道の到着は出発の6日後です。

鉄道切符の後にホテルの予約をするのは、前述の通り大きな時差があるためです。
例えば、時刻表で夜1時に出る列車に乗るつもりでも、これはウラジオであれば朝8時を意味します。
つまり「夜1時に出るならその晩のホテルは要らない」というのは、大きな間違いなわけです。
こういった混乱を避けるためにも、まず最初に鉄道切符を買い、時間が確定してからホテル予約をしましょう。

ちなみに、「俺は流浪のバックパッカー!ホテルだとかドミトリーだとか、そんなものは使わず、どっかで寝るぜ!」と思っている方へ。
それはロシアでは極めて厳しい考え方です。
ロシア入国にはビザが必要で、どの施設に何泊するか、すべて事前に申請しないといけないのです!
申請しないとビザが受理されないので、そもそも入国できません。

よって「気ままに都市を巡って、いきあたりばったりで好きなところに泊まる」はロシアでは不可能です。
最悪の場合、不法滞在の疑いで強制送還なんてことも?
素直に宿泊施設を予約しましょう。

4.入国ビザを取得

ホテルの予約が済み、ロシア出入国の手段も全て決まれば、ようやくビザの申請ができます。
そう、ロシアは日本人がいまだにビザ無しで行けない国の一つなのです。

そもそもビザというのは、入国するにあたってふさわしい人物かどうかを入国管理官が判断するときに参考にされる書類の一つ。
このビザがあるということは、入国の事前審査に合格したことを示しているのです。
もちろん、あくまで事前審査なので必ず入国できるわけではありませんが…。

あなたが国際犯罪組織の一員だったり、諜報機関でマークされている重要人物だったりする場合はビザ取得は困難ですが、普通の方であればビザは取れます。
しかも時間に余裕を持てば無料です(急ぎの場合、期間に応じた金額がかかります)。

ただ、申請にあたっての持ち物は…たくさんあります。

  1. パスポート
  2. 証明写真(4.5cm×3.5cm)1枚
  3. バウチャー
  4. 査証申請書

以下、注意が必要なものについて書いていきます。

  • パスポート

有効期限がビザの出国予定日より6か月以上あり、なおかつ査証欄に見開き2ページ以上の余白があるもの。

  • 証明写真(4.5cm×3.5cm)1枚

映っている範囲と、サイズに注意。パスポートと同じサイズです。
一緒に申請に行った友人の写真は上半身まで映っており「写真の顔が小さいデース」と受付のお姉さんに受理してもらえず。
ロシア大使館近くの証明写真機で撮りなおす羽目になりました。

  • バウチャー

バウチャーというのは旅行会社が発行する書類で、旅程を保障するものです。
もちろん旅行会社など一切頼んでいないので、ここではバウチャーを作ってくれる会社を使い、それを印刷して持っていきます。

その名もTravelrussia.su。発行手数料は変動しますが、だいたい12ドルくらいです。
「Tourist Invitation」を選んで、必要事項を記入します。
宿泊施設の記入もあるので、きちんと予定を組んでから申請しましょう。

最後にロシア語でのカード決済を済ませるとメールでバウチャーを送ってきます。
だいたい決済の数分から数時間後に送ってくるようなので、気長に待ちましょう。

※ただ、正規のバウチャー発行ではないとの情報もあるので、あくまで自己責任でお願いします。
私がここで発行したものが大使館で受理され、入国審査から出国までなんの問題もなかったのは事実なのですが…。

このバウチャーが、次の査証申請書の作成に必要になります。

  • 査証申請書

ロシア外務省領事局の専用サイトに行きます。
必要事項などはすべて日本語(ちょっと怪しいですが)の解説があるので、英語かロシア語でササッと登録してしまいましょう。

途中、バウチャーのレファレンス番号を記入する欄があります。
申請作業はバウチャーが届いてからにしましょう。
また、出入国日はある程度バウチャーから前後しても大丈夫でした。

必要事項を全て記入して完成すると、印刷ページが表示されるのでそれをプリントします。
これがそのまま申請書になります(この書類自体はあくまで記入された申請書であって、何も証明していません)。

 

以上のものがそろったら、全て持って各地のロシア大使館/領事館に向かいましょう!
予約等は必要ありません(少なくとも東京の場合)。

パスポートにビザが張り付けられるので、申請中はパスポートを大使館/領事館に預けることになります。

申請そのものは割とすぐです。お姉さんが必要書類があるかをチェックするだけ。
仮に並んでいても、順番はすぐに回ってくるはずです。
といっても並んでいる人が観光ビザだけとは限らないので、さすがに一時間くらいは見ておいた方がよいでしょう。

最後に「何日受け取りにしますか?」とカタコトの日本語で聞かれるので、予定に見合った日を答えましょう。
だいたい2週間後より早い受け取りを希望するとお金を取られます。一方でそれより遅ければ手数料無料です。

ちなみに友人は1か月先の受取日を希望していましたが、それで問題なかったようです。
私は手元に長期間パスポートがないのは心許なかったので、二週間後にピックアップしますと答えておきました。
あとは後日、パスポートをピックアップすれば入国書類は全て揃ったことになります。

4 件のコメント

  • 初めまして。シベリア鉄道でヨーロッパに行きたいのですが、女性一人旅では危険と思われますか?

  • 度々すみません。
    アドレス、受信設定しているのでもしかしたらご返信が読めないかもしれません。
    その場合はごめんなさい。
    しばらく様子を見てみます。
    私は飛行機が苦手で、、、でもどうしてもヨーロッパに行きたくて、、、このまま諦めたくなくて今回ご質問させていただいた次第です。

  • シベリア鉄道旅行を考えています。途中下車(ハバロフスク、イルクーツク,ノボシビルスク、エカテリンブルグ、もすくわ)を計画していますが鉄道運賃は変わりませんか。
    また取得方法も教えてください。

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